沖縄・奄美・南西諸島の「旧暦文化」まとめ|引越し前に知っておきたい年中行事とスケジュール
離島引越し便のアイランデクスです。
沖縄や奄美群島には、今なお「旧暦」を基準にした年中行事がたくさん残っています。旧正月、シーミー、ハーリー、八月踊りなど、耳にしたことはあっても「何の行事?」「いつやるの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
沖縄・奄美への移住や引越しを考えている方にとっても、地域の暮らしのリズムを知っておくと便利です。今回は、沖縄・奄美に加えて、トカラ列島など周辺の南西諸島に伝わる旧暦文化も、代表的な行事とあわせてまとめました。
そもそも「旧暦」とは?
旧暦とは、明治時代に今のカレンダー(新暦・太陽暦)に切り替わる前まで使われていた「太陰太陽暦」のことです。月の満ち欠けを基準にしながら、季節のズレを閏月(うるうづき)で調整する仕組みになっています。
旧暦の日付は今のカレンダーとずれがあるため、行事の日にちは毎年変わります。沖縄や奄美では、旧盆をはじめとした伝統行事の多くが今も旧暦の日付にあわせて行われており、生活の中に根付いています。
行事の日程は年によって変わるので、正確な日にちはその年の旧暦カレンダーで確認するのがおすすめです!

沖縄の旧暦行事の一部
旧正月(旧暦1月1日)
現在の沖縄では新暦の1月1日を祝う地域がほとんどですが、糸満市など漁業がさかんな地域を中心に、今も旧正月を大切にする風習が残っています。
十六日祭・ジュールクニチー(旧暦1月16日)
「あの世の正月」とも呼ばれる先祖供養の行事です。とくに宮古島・八重山地方で重視されており、親族が集まってお墓参りをし、お供え物を囲みます。
清明祭・シーミー(清明の時期、旧暦3月ごろ)
二十四節気の「清明」の時期にあわせて行われる、沖縄ならではのお墓参り行事です。お墓の前にご馳走やお酒を広げ、一族でにぎやかに過ごすのが特徴で、法事というよりピクニックに近い雰囲気があります。
ハーリー・爬龍船競漕(旧暦5月4日ごろ)
豊漁と海の安全を祈願する伝統行事で、沖縄各地の漁港で爬龍船(ハーリー船)による競漕が行われます。那覇のハーリーをはじめ、地域ごとに独自の行事として受け継がれています。
旧盆・ウンケー/ナカヌヒー/ウークイ(旧暦7月13〜15日)
沖縄でもっとも大切にされている行事のひとつです。ご先祖様を家に迎え、親戚で過ごし、見送るまでの3日間で、沖縄本島の「エイサー」や石垣島の「アンガマ」、波照間島の「ムシャーマ」など地域色豊かな行事も行われます。詳しくは沖縄の旧盆についての記事で解説しています。
トーカチ(米寿祝い、旧暦8月8日)
数え88歳の米寿を祝う沖縄独自の長寿行事です。床の間に8升8合のお米と竹製の道具「斗掻(トーカチ)」を飾り、家族そろって祝います。3日前の旧暦8月5日には、地域の神々や先祖に感謝を伝える「メーニゲー(前祝い)」という巡拝も行われます。
十五夜(旧暦8月15日)
中秋の名月にあたる月見行事です。沖縄では綱引きや相撲などの行事とあわせて祝う地域もあります。
多良間島の八月踊り(旧暦8月)
宮古地方の多良間島にも、旧暦8月に行われる「八月踊り」があります。国の重要無形民俗文化財に指定されており、集落をあげて奉納される組踊や狂言を含む本格的な内容が特徴です。同じ「八月踊り」という名前でも、後述する奄美群島の八月踊りとは芸能の形式や規模が異なり、それぞれの島で独自に育まれてきた文化であることがわかります。
スマフサラ(宮古島・伊良部島)
宮古島や伊良部島の一部の集落には、「スマフサラ(島腐らし)」と呼ばれる厄払いの行事も伝わっています。豚を解体し、その骨を集落の境界にあたる場所に吊るすことで、疫病や悪霊が集落に入り込むのを防ぐという神事です。実施の時期や頻度は集落によって異なり、毎年行うところもあれば数年に一度というところもあるなど、地域ごとに独自の暦とやり方で受け継がれています。
カジマヤー(長寿祝い、旧暦9月7日)
数え97歳を迎えた方を祝う、沖縄でもとくに盛大な長寿行事です。「カジマヤー」とは風車のことで、人生を一巡してもう一度子どもに還るという意味が込められています。97歳という年齢は干支を8巡することに由来し、お祝いそのものは旧暦9月7日(地域によっては9日)に行われます。9本の風車と9升7合のお米を供え、地域によっては本人を乗せた車が集落をまわる「道ジュネー」というパレードも行われます。

奄美群島の旧暦行事の一部
奄美群島にも、旧暦にもとづく独自の年中行事が数多く伝わっています。
八月踊り(旧暦8月)
奄美群島を代表する伝統行事です。旧暦8月の吉日に、各集落の広場で島唄や太鼓にあわせて輪になって踊る「八月踊り」が行われます。豊年への感謝やご先祖様への供養の意味が込められており、集落ごとに唄や踊りの節が異なるのも特徴です。
豊年祭
収穫への感謝を捧げる行事で、集落ごとに規模や内容や時期はさまざまですが、奄美の暮らしに深く根付いた行事のひとつです。
諸鈍芝居(旧暦9月、加計呂麻島)
加計呂麻島の諸鈍集落に伝わる伝統芸能で、国の重要無形民俗文化財に指定されています。仮面をつけた演者による芝居が奉納される、地域色の強い行事です。
徳之島の餅もらい行事
徳之島には、五穀豊穣や集落の繁栄を願って唄い踊りながら集落内の家々をまわり、餅やお菓子をもらって歩く「餅もらい行事」が伝わっています。開催時期は集落によって異なり、正月や旧暦8〜10月ごろの節目にあわせて行われることが多く、住民総出で参加することで集落の結びつきを深める行事にもなっています。
沖永良部島の大蛇踊り
知名町上平川の殿智神社に伝わる「大蛇踊り」は、鹿児島県の無形民俗文化財に指定された貴重な伝統芸能として今も受け継がれています。長さ十数メートルの蛇を3本の竿で操りながら演じる、地域色豊かな演目です。
旧盆
奄美群島でも沖縄と同様、旧暦7月の旧盆にあわせてご先祖様を迎える行事が行われます。集落ごとに内容は異なりますが、奄美大島の秋名集落に伝わる「平瀬(ヒラセ)マンカイ」のように、海の彼方から神を迎える自然信仰と結びついた独自の行事も残っており、沖縄の旧盆とはまた違った奄美らしい信仰の形を垣間見ることができます。
他にも地域によってまだまだ旧暦行事がございます!
奄美の島唄や暮らしについては奄美群島の民謡(シマウタ)のお話でもご紹介していますので、あわせてご覧ください。
トカラ列島など、周辺の南西諸島に伝わる旧暦行事
沖縄・奄美だけでなく、その北に連なるトカラ列島など南西諸島の島々にも、旧暦にもとづく独自の行事が伝わっています。
ボゼ(トカラ列島・悪石島、旧暦7月16日)
鹿児島県のトカラ列島・悪石島では、旧盆の最終日にあたる旧暦7月16日に「ボゼ」と呼ばれる来訪神行事が行われます。赤土と墨で彩色した仮面をつけ、ビロウの葉やシュロの葉で全身を覆った「ボゼ」が、太鼓の音とともに盆踊りの輪に現れ、棒の先につけた赤泥を人々に塗って回ります。泥を塗られると厄が払われるとされ、女性は子宝に恵まれるという言い伝えもあります。国の重要無形民俗文化財に指定されており、ユネスコ無形文化遺産「来訪神:仮面・仮装の神々」の一つにも数えられています。
引越しを考えるときに知っておきたいポイント
沖縄・奄美では、こうした旧暦行事の時期に会社や店舗が休業したり、地域の方が行事に参加するために予定を調整したりすることがあります。とくに旧盆の時期は、不動産会社や工事業者、各種手続き窓口の対応にも影響が出やすいため注意が必要です。
また、実際に移住してみると、地域によっては八月踊りや豊年祭などに「一緒に参加してみませんか」と声をかけてもらえることもあるかもしれません。旧暦文化は、地域との関わりを深めるきっかけにもなります。
引越し予定の時期に近くで大きな行事がないか気になる方は、お気軽にスタッフにお尋ねください。
まとめ
沖縄・奄美の旧暦行事は、単なる昔ながらの風習ではなく、今も地域の暮らしに息づく大切な文化です。引越しのスケジュールを立てる際にも、こうした行事の時期を頭の中に入れておくのもおすすめです。
離島引越し便のアイランデクスでは、沖縄・奄美・南西諸島をはじめとした離島への引越しをサポートしています。行事の時期の船便状況なども含め、お気軽にご相談ください。
まずはお見積もりを!